学校事務とアドバイザリースタッフについて

 学校事務は、共同実施体制の中で従来の発想から越えたいろいろの業務を行ってきた。共同実施をコーディネートする事務長のみならず、組織的に発展してくると全体を調整する役目が必要になってきたようである。
 そこで、県単位や地域単位で「アドバイザリー・スタッフ」としての事務職員を配置することはいかがであろうか?この場合、ルーティン業務をもたず、全体の事務管理の調整やメンバーに事務業務のアドバイスや支援を行うことを主な業務とするのである。人材育成や学校事務全体を効率的・安定的に稼動させることがミッションとなる。
 しかし、学校事務のアドバイザリー・スタッフの業務は、前例がない。ミッションを果たすために自ら考えて行動することが必要となってくる。学校事務には、まだ手をつけられていない未開の分野が沢山存在する。
バルーン大会
  (写真は、本文とは関係ありません。  佐賀バルーン大会)
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学校事務の人脈とその周辺について

 学校事務改革を組織論的に捉え、これをビジネスの側面で考えてみます。ビジネスは、人なりです。学校事務の品質向上は、重要ですが、それに関係する組織の中外にいるどんな人をどの程度に知っていて、お互いにどの程度に信頼しているかも、それ以上に重要です。ビジネスは、この人脈に依拠する部分が少なくありません。
 しかし、この人脈や人の評価というものは曲者です。人は、とかく「勝者を過大評価し、敗者を過小評価する」ものです。特に、学校事務の世界においては、「肩書」で判断する人が多いようです。人の中身を見るのではなく 肩書や勝者・敗者のレベルで人を判断していたのでは、本質に触れる改革をすることはできません。
 あやなす人間関係を巧みに処理し、学校事務をマネジメントする能力が必要ですが、これを推進するには、ホンモノの人と偽の人の見分けがつくような人になる必要があります。ビジネスの世界で自分を鍛え上げていくと、人間に対する観察力や洞察力が身についていくようです。曇った目や目先の利益に焦点を合わせた色眼鏡で人を見るのではなく、人柄まで「透視」できる人間力を身につけて行きたいものです。ホンモノの人脈を築いていきましょう。これが学校事務改革を達成する原動力となります。
ウツボ木の杉
             (写真は、本文とは関係ありません。)

事務職員としての学校経営への参画

 若い学校事務職員から「事務職員にとって学校経営への参画は、どうすればできるのでしょうか?」と聞かれることがあります。難しく考える必要はありません。学校事務職員は、職務として財務の執行・管理や情報の処理などの仕事をしています。これらの職務を通じて、各学校の教育目標達成のために学校事務職員(事務室総体)とし何ができるかを考え、その手段を尽くすことが「学校経営への参画」であるということができます。
 言うまでもなく、県費事務に終始したような業務や共同実施を行っていれば、学校経営への参画という発想は出にくいのかもしれません。学校の財務をグリップし、情報処理と発信などを行っていれば、当然のように「学校経営への参画」は、意識に上ります。これは、共同実施の教育支援についても同じことが言えます。
 次のような説明をすることもできます。
【学校経営の中心である校長の職務は、大きく分けると次の3つになります】
① 教育課程の管理(子どもや保護者との問題を含む)
② 教職員(学校職員)の人事管理
③ 施設設備と予算の管理(給与・旅費を含め学校運営費、徴収金など)
 事務長でなくても、主事であっても③の分野で校長の学校経営支援を行うことが、まず、学校経営への参画であるということができます。これを続けていれば、校長への政策提言にもつながっていきます。
学校経営への参画

リーダーシップとソーシャル・キャピタル

 組織は、リーダーの器以上には大きくならない。リーダーとしての立場に立った人は、自らのリーダー・シップを磨くことで組織は変革できる。組織が達成していく多くのプロジェクトの成果は、たいへんに複雑な人間関係を巧みに処理する能力を持つリーダーのソーシャル・キャピタルをマネジメントする能力に依存している。
 ソーシャル・キャピタルとは、評価することが難しい概念である。ソーシャル・キャピタルは、直接目に見えるものではない。個人の持つ人的資本のように履歴書に載ることもない。これほど重要なものであるにもかかわらず、ソーシャル・キャピタルとそのマネジメント能力は、人事評価の対象になりにくいものであった。ソーシャル・キャピタルは、「信頼」「互酬性の規範」「ネットワーク」を基礎的構成要素としている。物的資本や人的資本と並ぶ新しい概念である。
リーダーシップ①

学校事務改革に必要なもの③

 次に必要なものは、「まめに仕事を続けること=継続」です。前の稿で書いたように、改革は2年や3年で達成できるものではありません。続けることです。小さなことの積み重ねが、最終的には大きな仕事となって現れます。初めからホームランを狙ってはいけません。ヒットや送りバントの積み重ねが得点になってきます。小さなことをおろそかにせず、マメにやっていきましょう。
 次に、「人脈論」です。これも、「まめに仕事を続けること=継続」と大いに関係が有ります。「人脈を活用する」という言葉は、日本では手垢にまみれています。アンフェアで「自らの努力で獲得するべきものを他者に依存していた」ととられかねません。そこで、現在では「ネットワーク」という表現で研究されています。ネットワーキングでは、他者から与えられると同時に、他者に自分も与えることが重要です。暗黙のうちに「互酬性の規範」(お互い様)が成立していないとネットワーキングにはなりません。ネットワークは、長く保障されるものではないので、時々は棚卸しが必要です。有名なSWOT分析も、人脈論と大いに関係しています。
 最後に、「セルフハンデキャップ」を作らないことを強調しておきます。世の中には、「自分ができない理由探し」に一生懸命な人がいます。「自分には、○○のハンデキャップを持っているからできないのだ」といくら言っても自分を慰めているだけに過ぎません。怖いのは、このスパイラルにおちいると「何もしない人」になってしまうからです。時には、「行動しない批評家」になったり、「他者をくさしたり」することになってしまうケースがあります。この意識は、伝染し地域や県全体に蔓延する恐れさえあります。
 3回にわたって「学校事務改革に必要なもの」を論じてきました。もちろん、これが全てではありませんし、もっと研究する必要があります。折角、学校事務の業界に「組織マネジメント論」が根付きつつあるところです。この分野をもっと伸ばし、皆で研究していきましょう。
キーワード③

学校事務改革に必要なもの②

 次に必要なものは、「エネルギーと元気」です。元気がなく、意識が沈滞している人が、大きな仕事をすることはできません。自分で自分を励まし、モチベーションを上げ、維持していく努力も必要となります。大きな仕事は、2年や3年で簡単に達成できるものではないので、「エネルギーと元気」を持ち続けることができるかが鍵です。言うに安く、行うのに困難なことでもあります。
 これには、健康な体でなければなりません。そのためにはまず、節制をすべきと考えています。酒はほどほどに、タバコもこの目標達成のためには止めるくらいのことが必要です。仕事のために、「酒宴の会では、一次で帰り、二次会には行かない。」と書いてあるビジネス本も多数あります。このての本では、体のダメージを考えてのことで、何が第一義かを訴えています。若いうちは良いが、年を重ねてくると無理が効かなくなります。年をとると体の回復力が遅くなります。このようなことから、節制や養生は、大きな要素です。
 転勤一年目の教職員で、「一年目は、様子を見させていただき、二年目から頑張る」という人が時々います。しかし、このような人で二年目以降に頑張って、目立った改革を行った人を見たことがありません。昔のことならいざ知らず、世の中のスピードが早く流れる今の時代にこのような意識では、結局、何もできません。できる人間は、スタートダッシュ時点からスピードに乗り、「行動しながら考え、考えながら行動している」ものです。行動と考えのフィードバックの中でより高次のアイデアは生まれます。
 「改革に必要なもの①」で書いたように、改革は、長いスパンでものを考え、行動することが求められます。そのためには、一時の爆発力も必要ですが、長い年月持続できるエネルギーを要すのです。目標達成のためには、節制しながら長い期間持続できるエネルギーを使って仕事を進めていきましょう。
キーワード②

学校事務改革に必要なもの①

 これから3回に分けて「学校事務改革に必要な要素」を考えていきます。
 まず、何よりも重要なのが「改革を成し遂げるのだという断固たる決意」とこれを支える「強い意志」です。大きな改革を成し遂げるのは、一朝一夕はもちろんのこと、2年や3年でできるものではありません。学校事務以外の分野の本格的な改革の過程を見ても改革の前に「膨大な準備期間」を要しています。今日から、準備期間(段取り)に入ることはできても、何の権限も持たない一個人が改革に着手することはできません。権限のあるところに説明・納得してもらい、全体の流れを改革に導くようなベース作りも必要です。このような段取りを経ずして改革が成功することは、ありません。このような流れを作り、権限のあるところと折衝するには、強い意志が必要なのです。
 この改革を推進するには、たいへんなストレスが伴います。感情をコントロールして耐性を増すようなセルフ・マネジメント力が要求されます。仕事の過程においては、腹立たしい状況の連続です。しかし、大きな目標があれば、下げたくない頭も下げ、我慢するところは我慢し、仕事に全力投球ができます。波風もなく、きれいごとばかりで改革は成し遂げられません。静かなる闘争心も必要です。
 このように強い意志=断固たる「職業人生をかけて行う」くらいの決意が、改革の基盤となります。
改革のキーワード①

ソーシャル・キャピタルをマネジメントする。

 近年、ソーシャル・キャピタルに注目が集まっている。ソーシャル・キャピタルとは、社会の信頼関係、規範、人間関係、ネットワークといった社会組織の重要性を説く概念である。これは、直接眼に見えるものでないために学歴や技能などの人的資本として履歴書に記されることもない。だから、重要であるにもかかわらず、注目されにくく、評価の対象にもなりにくかった。
 しかし、仕事の成果は、複雑な人間関係を巧みに処理するソーシャル・キャピタルをマネジメントする能力に大きく依存することが分かってきている。このマネジメント能力は、コンピテンシーの大きな部分を占めているのかもしれない。 
ソーシャルキャピタル

リーダーシップ論と組織マネジメント論

 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
 学校事務を進展させるために「組織マネジメント」が論じられてきました。10年以上もテーマになってきたのに、学校事務の現場で定着していない感があります。何に問題があったのでしょうか?もちろん、最大の原因は、現場の業務執行のレベルです。
 この問題は、後に論じることにして、アメリカを中心に論じてこられた「リーダーシップ」論を取り入れることで何かしら、壁を突破できないか考えてみることとします。
○リーダーシップ・・・ビジョン・目的地・方向性を示し、正しい方向に組織の持っている力を向かわせること
○マネージメント・・・もって、いる資源を効率的に執行できるよう管理し、能率的な作業を指揮、現場の問題を直接解決しようとすること
※目の前にある切羽詰まった問題に対応することで、ある種の達成感・満足感を得ることで、マネジメントのパラダイムに陥ってしますこととなる。このことで組織の向うべき方向性を誤ることがある。ここにリーダーシップの必要性・重要性がある。
 というようなことを考えていきましょう。
リーダーシップとマネジメント

人脈について考察する。

 仕事を成功させるために、「人脈」は、非常に重要な要素です。しかし、この人脈は、一朝一夕でできるものではありません。一方的に自分の都合の良いときに連絡しておいて、「お願い」ばかりするのは人脈とはいえません。この人脈つくりは、ギブ・アンド・テイクでできるものでなく、コントリビューション(相手への貢献)で築かれるものです。人と会うとき、連絡するときは、まず、「この人に自分はどんな貢献ができるか」を考えて接触しましょう。
 人脈は、たちどころにできるものではありません。数年かけて長いスパンで見なければなりません。長年かけて築いてきた人脈が、仕事の重要なときにベースとなって利いてくるというものです。人脈は、仕事をするスタンスであり、その人の日頃の人間性が出るものです。人脈は、人間関係のカウンターです。自分の進む道を明確にし、人を大事にすること、マイインドの高い人とのつながりを築いていきましょう。
人脈1

リーダーシップ論を考える

 学校事務の組織変革(単独での業務執行から組織で業務を行う)について考えます。すべての組織は、変革をする上でリーダーシップを取れる人材が必要です。学校事務改革を執行する場合は、県全体の学校事務を俯瞰し、丸ごとマネジメント(リーダーシップを発揮する)できる人材が不可欠です。学校事務をよく知っている事務職員出身のリーダーシップによって、改革は効率的且つ全体の調整を取って推進できます。このリーダーに「責任と権限」を与えて、改革のマネジメントを行うことです。
 マネジメントとリーダーシップの理解ですが、わが国では、米国の概念とは異なるものとして捉えられています。日本ではマネジメント概念の中にリーダーシップ論を包括して捉えているようです。(これは、名城大学木岡教授の解説談によります。)
 トヨタの主査制度は、この組織のリーダーシップ論に類似しています。このリーダーがいないと船は、船頭なく方向も定まっていない漂流船のようです。
リーダーシップ論

義務制の事務長は「プレイングマネージャー」である。

 小中学校事務室の人員は、共同実施加配で増えたといっても1~2人です。市費負担事務職員がいるところでも最大3人までです。圧倒的に人が足りないのが実情です。事務長は、管理職でありながら学校現場の第一線で働くことになります。マネージャー業務に特化するなどできるはずもありません。端的にいえば、マネージャー半分、プレイヤー半分といったところでしょうか。
 プレーヤーとマネージャーの違いは、「仕事をする」側から「仕事を管理し、やってもらう」側へ移るということです。ここに大きなリアリティショックの溝があります。永年、「仕事をする」側の意識しかなかった事務職員が、この溝を越えるのはたいへんです。制度がなかったためにマネージャー事務職員を見たことがなかったせいでもあります。学校事務職員として政策形成能力も身近にその能力を持つ先輩を見たことがなければ、意識しないままに育ってしまいます。
 近年は、民間企業でもリストラ等によって現場の人員が足りない状況になってきています。課長になっても管理職でありながら、同時に現場の第一線で働いています。民間でも優秀なプレイングマネージャーが求められているのです。
 組織が一定以上の大きさを持てば、プレイングマネージャー意識は、それほど必要ないかもしれません。しかし少数精鋭で仕事を行う義務制の学校においては、「事務長はプレイングマネージャー」を意識しなければ組織は回りません。
事務長プレイングマネージャー

自分の行っている業務を考えてみよう!

 組織マネジメントを支えるのは、セルフ・マネジメントをできる人です。学校事務職員のセルフ・マネジメントは、自分の行っている業務を把握することから始まります。県費関係の業務のみを行って「よく業務をこなしている」ということはできません。
 小中学校の事務には、学校運営に関するものから総務・財務・給与・学務など多数の業務が存在します。自分がどの業務をどのくらいこなし、どのくらい時間をかけているかを把握する必要があります。学校事務職員としてバランスが取れているか、考えてみてください。マネジメントは、まず自分を客観的に把握することが重要です。
 読者の皆さんも是非、自分の業務を記入してみてください。
自分の行っている業務

教職員の仕事も効率化意識を持とう!

 組織マネジメントによる学校運営がいわれ、中央教育審議会答申でもたびたび取り上げられています。しかし、このブログで何度も取り上げたように組織マネジメントによる組織運営を支えるには、セルフ・マネジメントのできているメンバーによる組織構成が必須です。セルフ・マネジメントのイロハは、タイム・マネジメントであることも申し上げました。
 教員の多忙化をいわれますが、教員は授業のやり方や生徒指導を学んでもセルフ・マネジメントを学んでいる人は少ないようです。また、タイム・マネジメントを意識している人は少数です。多忙化や勤務時間の縮減をいうなら、教員にタイム・マネジメントを意識した研修を行うべきではないかと考えています。
 基本的に「締め切り意識(deadline)」の徹底です。目標管理による人材育成などが行われていますが、個人個人が各タスクのすべてにおいて、デッドラインを設定した業務管理を行う必要があります。各タスクには、後工程がほぼついてきますからタスクの完了がないと後工程者に迷惑をかけることとなります。
 教育というと「聖域」であり、人を扱うものだからタイム・マネジメントなどには馴染まないという人がいますが本当でしょうか。本当に馴染まないのか検証をすべきではないでしょうか。全体が馴染まないと決め付けるのではなく、馴染む部分、馴染まない部分の仕分けを科学的に行う必要もあります。
 しかし、タイム・マネジメントのエッセンスは、スキルよりも本人の意識ややる気で決まります。常に、デッドラインや効率化を意識して仕事に取り組むことが、教員の多忙化解消の第一歩です。
仕事の課題

「政策形成能力」を持つ学校事務へ脱皮しよう!

 これからの学校事務職員は、「政策形成能力」を身につけなければならない時代になっています。学校事務が、さまざまな問題に対して当事者として対峙し、問題を解決しようとする姿勢が重要です。「政策形成能力」がないと学校事務は、行政職として生き残っていけないかもしれない生命線であるともいえます。
 一方、このような意識のない人は、ルーチンをこなすことだけが自分の職務と限定し、問題を解決しようとする意欲が見られません。問題は、校内や他の事務職員などほかの誰かが解決してくれるだろうと思っているようです。
 問題といってもたいへんに大きなものから、学校の日常の中で発生し、学校の中で協力し合い解決できるものもあります。小さな問題でも軽く見ないで、学校事務職員がイニシアティブを取って真摯にひとつずつ解決していくことで大きな信頼を勝ち取ることができるようになります。ルーチンワークのみで満足せず、ルーチンの枠組み以外にも眼を向けましょう。
政策形成能力
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